2019.04.30

放射状模様

はじめに

画像サイズと線の本数と線の角度を指定することで、黒と白の放射状模様画像を作成します。ここで紹介するプログラムで出力する画像の形式PNGファイルです。

放射状模様画像

上の画像の例は、画像サイズ:256x256、線の本数:20、線の角度:10°で作成したものです。

Javaソースコード

Pattern_Radiation01.java

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import java.awt.image.BufferedImage;
import java.io.File;
import javax.imageio.ImageIO;
import java.io.IOException;

public class Pattern_Radiation01 {
	// Math.atan2メソッドを利用し、角度の戻り値を0~2πにしたもの
	private static double atan3( double y, double x )
	{
		// yが0以上の場合
		if ( 0.0 <= y )
			return Math.atan2( y, x );

		// yが0未満の場合
		return Math.atan2( y, x ) + 2.0 * Math.PI;
	}


	// メイン
	public static void main( String[] args ) {
		// 変数宣言
		int    w, h;	// 画像サイズ
		int    l_num;	// 本数
		double l_deg;	// 線の角度
		double w_deg;	// 白部分の角度
		String outname;	// 出力ファイル名
		BufferedImage img = null;	// 画像格納クラス

		// 入力した引数が5以上かを調べる
		if ( 5 > args.length ) {
			// 入力した引数が5未満の場合、使用方法を表示する
			System.out.println( 
				"Pattern_Radiation01 [PNG名] [幅] [高] [線の本数] [線の角度]" );
			return;
		}

		try {
			// 引数を変換し、画像の幅と高さをwとhに代入
			w =  Integer.valueOf( args[ 1 ] );
			h =  Integer.valueOf( args[ 2 ] );

			// 引数を変換し、線の本数l_numに代入
			l_num = Integer.valueOf( args[ 3 ] );
			if ( 1 > l_num ) {
				System.out.println( "線の本数に1以上を指定!" );
				return;
			}

			// 引数を変換し、線の角度l_degに代入
			l_deg = Double.valueOf( args[ 4 ] );
			if ( 0.0 >= l_deg ) {
				System.out.println( "線の角度に0.0より大きい値を指定!" );
				return;
			}
		}
		catch( NumberFormatException ne )
		{
			System.out.println( "引数が不正です" );
			return;
		}
		// 出力PNG名をoutnameに代入(拡張子".png"省略なし)
		outname = args[ 0 ];

		// 新しい画像を作成
		// 24ビットカラーの画像を作成
		try {
			img = new BufferedImage( w, h,
						 BufferedImage.TYPE_INT_RGB );
		} catch ( Exception e ) {
			// 画像作成に失敗したときの処理
			e.printStackTrace();
			return;
		}

		// 放射状模様 画像作成
		int    x, y;
		int    color, r, g, b;	// 計算した色
		double mx, my;		// 画像の中心の座標
		double deg, rad;	// (mx,my)を原点とした(x,y)の角度

		// 画像の中心座標を計算		
		mx =  (double)( w - 1 ) / 2.0;
		my =  (double)( h - 1 ) / 2.0;

		// 白部分の角度
		w_deg = ( 360.0 -  (double)l_num * l_deg ) /  (double)l_num;

		// 画像作成
		for ( y = 0; y < h; ++ y ) {
			for ( x = 0; x < w; ++ x ) {
				// 角度(ラジアン)を計算
				rad = atan3(  (double)y - my,  (double)x - my );

				// ラジアンを度に変換
				deg = rad * 180.0 / Math.PI;

				// 判定式
				if ( l_deg >= ( deg % ( l_deg + w_deg  ) ) )
					r = g = b = 0;
				else
					r = g = b = 255;
					
				// rgbを合成
				color = ( r << 16 ) + ( g << 8 ) + b;
				// 色を設定
				img.setRGB( x, y, color );
			}
		}

		try {
			// imgをoutname(出力PNG)に保存
			boolean result;
			result = ImageIO.write( img, "PNG", new File( outname ) );
		} catch ( Exception e ) {
			// outname(出力PNG)の保存に失敗したときの処理
			e.printStackTrace();
			return;
		}

		// 正常に終了
		System.out.println( "正常に終了しました" );
	}
}

コンパイル ソースコードが「ANSI」の場合

C:\talavax\javasample>javac -encoding sjis Pattern_Radiation01.java

コンパイル ソースコードが「UTF-8」の場合

C:\talavax\javasample>javac Pattern_Radiation01.java

実行

C:\talavax\javasample>java Pattern_Radiation01 pattern_radiation01.png 256 256 20 10

画像の横ピクセル数を256、縦ピクセル数を256、線の本数を20、線の角度を10°で指定した例です。

Javaソースコードの解説

ここからは、このJavaソースコードを上から順番に解説していきます。

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004
import java.awt.image.BufferedImage;
import java.io.File;
import javax.imageio.ImageIO;
import java.io.IOException;

Javaクラスライブラリの中から「java.awt.image.BufferedImage」と「java.io.File」と「javax.imageio.ImageIO」と「java.io.IOException」というパッケージにあるクラスを、このプログラム内で使うために記述します。この記述により、BufferedImageクラスImageIOクラスが利用できるようになります。

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public class Pattern_Radiation01 {

クラス名を、Pattern_Radiation01としています。

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	// Math.atan2メソッドを利用し、角度の戻り値を0~2πにしたもの
	private static double atan3( double y, double x )
	{
		// yが0以上の場合
		if ( 0.0 <= y )
			return Math.atan2( y, x );

		// yが0未満の場合
		return Math.atan2( y, x ) + 2.0 * Math.PI;
	}

引数xとyから角度ラジアン)を0~2πの範囲で求めるメソッドです。

角度を求める方法は、以下の記事を参考にしてください。

xとyを引数として渡し、x軸からの反時計周り(左周り)の角度θ(ラジアン)を0~2πの値で戻すメソッドの作り方を説明します。

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	// メイン
	public static void main( String[] args ) {

このmainメソッドからプログラムを実行します。

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		// 変数宣言
		int    w, h;	// 画像サイズ
		int    l_num;	// 本数
		double l_deg;	// 線の角度
		double w_deg;	// 白部分の角度
		String outname;	// 出力ファイル名
		BufferedImage img = null;	// 画像格納クラス

このプログラムで使う変数を宣言しています。

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		// 入力した引数が5以上かを調べる
		if ( 5 > args.length ) {
			// 入力した引数が5未満の場合、使用方法を表示する
			System.out.println( 
				"Pattern_Radiation01 [PNG名] [幅] [高] [線の本数] [線の角度]" );
			return;
		}

5つ以上の引数が与えられたかをチェックし、5つ未満の場合に、使い方のメッセージを表示し、returnによってmainメソッドを抜けています。

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		try {
			// 引数を変換し、画像の幅と高さをwとhに代入
			w =  Integer.valueOf( args[ 1 ] );
			h =  Integer.valueOf( args[ 2 ] );

			// 引数を変換し、線の本数l_numに代入
			l_num = Integer.valueOf( args[ 3 ] );
			if ( 1 > l_num ) {
				System.out.println( "線の本数に1以上を指定!" );
				return;
			}

			// 引数を変換し、線の角度l_degに代入
			l_deg = Double.valueOf( args[ 4 ] );
			if ( 0.0 >= l_deg ) {
				System.out.println( "線の角度に0.0より大きい値を指定!" );
				return;
			}
		}
		catch( NumberFormatException ne )
		{
			System.out.println( "引数が不正です" );
			return;
		}
		// 出力PNG名をoutnameに代入(拡張子".png"省略なし)
		outname = args[ 0 ];

与えられた引数をそれぞれ、作成する画像の幅/高さ、線の本数/角度、出力PNG名を格納する変数に代入しています。画像の幅/高さ/線の本数は、Integerクラスを使ってint型に変換しています。線の角度は、Doubleクラスを使ってdouble型に変換しています。

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		// 新しい画像を作成
		// 24ビットカラーの画像を作成
		try {
			img = new BufferedImage( w, h,
						 BufferedImage.TYPE_INT_RGB );
		} catch ( Exception e ) {
			// 画像作成に失敗したときの処理
			e.printStackTrace();
			return;
		}

BufferedImageクラスコンストラクタで、新しいBufferedImageを構築しています。

BufferedImageコンストラクタ

BufferedImage( int width, int height, int imageType )
・新しい BufferedImage を構築します。
  パラメータ width     : 構築する画像の横ピクセル
        height    : 構築する画像の縦ピクセル
        imageType : 構築する画像のイメージ形式
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		// 放射状模様 画像作成
		int    x, y;
		int    color, r, g, b;	// 計算した色
		double mx, my;		// 画像の中心の座標
		double deg, rad;	// (mx,my)を原点とした(x,y)の角度

画像作成で使う変数を宣言しています。

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		// 画像の中心座標を計算		
		mx =  (double)( w - 1 ) / 2.0;
		my =  (double)( h - 1 ) / 2.0;

画像の中心座標を計算しています。画像座標の範囲は、左上(0,0)~右下(w-1,h-1)なので、(w-1)と(h-1)を2で割った値が画像の中心座標になります。

画像の中心座標を求める方法は、以下の記事を参考にしてください。

画像の中心座標の計算方法を図を使って詳しく解説しています。興味のある方は、この記事をご覧ください。

2019.12.07
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		// 白部分の角度
		w_deg = ( 360.0 -  (double)l_num * l_deg ) /  (double)l_num;

白の部分(線でない部分)の角度を計算しています。(線の本数×線の角度)を360から引いた値が白部分の合計角度です。その角度を線の本数で割った値が白い部分の1つの角度として計算できます。

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		// 画像作成
		for ( y = 0; y < h; ++ y ) {
			for ( x = 0; x < w; ++ x ) {
				// 角度(ラジアン)を計算
				rad = atan3(  (double)y - my,  (double)x - my );

				// ラジアンを度に変換
				deg = rad * 180.0 / Math.PI;

				// 判定式
				if ( l_deg >= ( deg % ( l_deg + w_deg  ) ) )
					r = g = b = 0;
				else
					r = g = b = 255;
					
				// rgbを合成
				color = ( r << 16 ) + ( g << 8 ) + b;
				// 色を設定
				img.setRGB( x, y, color );
			}
		}

画像の中の全てのピクセルの座標(x,y)を参照するループをつくり、その座標の色が黒か白かを判定していきます。判定した色を(x,y)に代入していきます。

判定には、画像の中心座標(mx,my)と(x,y)を結んだ線とx軸との角度rad(ラジアン)をatan3メソッドで求め、その角度radを°単位に変換した角度deg(°)を使います。

求めた角度deg(°)を(線の角度+白部分の角度)で割った余りを求め、その値が線の角度以下であれば黒色とし、線の角度を超えていれば白色としています。

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		try {
			// imgをoutname(出力PNG)に保存
			boolean result;
			result = ImageIO.write( img, "PNG", new File( outname ) );
		} catch ( Exception e ) {
			// outname(出力PNG)の保存に失敗したときの処理
			e.printStackTrace();
			return;
		}

BufferedImageクラスのimgのメモリ内のデータを、出力PNG名の変数(outname)に格納されているファイル名で保存します。この場合は、PNGファイル名が不正であったり、保存先のHDDなどが存在していなかったり、空き容量が少ないなどが原因で処理が失敗する可能性があります。

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		// 正常に終了
		System.out.println( "正常に終了しました" );

全ての処理が正常終了すると、ここまで処理が実行されます。

以上です。

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