2020.03.23

複数の値の合計と平均

はじめに

ここでは、配列に格納された複数の数値の合計値平均値を計算するプログラムを解説します。

合計値は、配列で与えられた複数の値を全て足した値で、平均値は、合計値を与えらた数で割った数値です。

Javaソースコード

以下が、配列の値の合計値平均値を求めるJavaのソースソースコードです。

Total.java

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public class Total {
	public static void main( String[] args ) {
		// 合計値を格納する変数を宣言
		int   total;
		// 数値群
		int[] num = { 10, 5, 22, 56, 13, 77, 26, 43, 6, 4, 19 };

		// 合計値の初期値を0
		total = 0;
		// 値の数を回数にした繰り返し処理
		for ( int i = 0; i < num.length; ++ i ) {
			// 値をtotalに足していく
			total = total + num[ i ];
		}

		// 結果を表示
		System.out.println( "合計=" + total );
		System.out.println( "値の数=" + num.length );
		System.out.println( "平均(小数切捨て)=" + total / num.length  );
		System.out.println( "平均=" +  (float)total /  (float)num.length );
	}
}

コンパイル ソースコードが「ANSI」の場合

C:\talavax\javasample>javac -encoding sjis Total.java

コンパイル ソースコードが「UTF-8」の場合

C:\talavax\javasample>javac Total.java

実行

C:\talavax\javasample>java Total

出力結果

合計=281
値の数=11
平均(小数切捨て)=25
平均=25.545454

合計値平均値を計算するプログラムについて解説します。

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		// 数値群
		int[] num = { 10, 5, 22, 56, 13, 77, 26, 43, 6, 4, 19 };

この例では、11個の数値をint型配列で与えています。

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		// 合計値の初期値を0
		total = 0;
		// 値の数を回数にした繰り返し処理
		for ( int i = 0; i < num.length; ++ i ) {
			// 値をtotalに足していく
			total = total + num[ i ];
		}

for文を使った11回(num.length)のループで、変数totalに値を足していっています。このループを抜けると、変数totalに合計値が格納されてます。

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		// 結果を表示
		System.out.println( "合計=" + total );
		System.out.println( "値の数=" + num.length );
		System.out.println( "平均(小数切捨て)=" + total / num.length  );
		System.out.println( "平均=" +  (float)total /  (float)num.length );

結果を表示しています。ここで、平均値の計算方法について考えていきます。平均(小数切捨て)は、total / num.lengthで計算しているため小数点以下の値は切り捨てられています。これは、totalnum.lengthの両方がint型であるため、その計算結果もint型になったためです。

float型または、double型で計算すれば、小数点以下の数値を表現することができます。このソースコードの例では、totalnum.lengthの前に、(float)を付けることでint型を一時的にfloat型として計算させています。これを型キャストといいます。

Javaソースコード

次に、配列合計値の計算をメソッドで行うプログラムを紹介します。以下は、そのJavaソースコードです。

Total2.java

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public class Total2 {
	// 配列の合計を戻すメソッド
	private static int calc_total( int[] num )
	{
		// 合計値を格納する変数を宣言
		int   total;

		// 合計値の初期値を0
		total = 0;
		// 値の数を回数にした繰り返し処理
		for ( int i = 0; i < num.length; ++ i ) {
			// 値をtotalに足していく
			total = total + num[ i ];
		}
		// 合計値を格納したtotalを戻す
		return total;
	}

	// メイン
	public static void main( String[] args ) {
		// 数値群
		int[] num = { 10, 5, 22, 56, 13, 77, 26, 43, 6, 4, 19 };

		// 合計値を計算
		int total = calc_total( num );

		// 結果を表示
		System.out.println( "合計=" + total );
		System.out.println( "値の数=" + num.length );
		System.out.println( "平均(小数切捨て)=" + total / num.length  );
		System.out.println( "平均=" +  (float)total /  (float)num.length );
	}
}

コンパイル ソースコードが「ANSI」の場合

C:\talavax\javasample>javac -encoding sjis Total2.java

コンパイル ソースコードが「UTF-8」の場合

C:\talavax\javasample>javac Total2.java

実行

C:\talavax\javasample>java Total2

出力結果

合計=281
値の数=11
平均(小数切捨て)=25
平均=25.545454

結果は、Total.Javaから出力される結果と同じです。

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	// 配列の合計を戻すメソッド
	private static int calc_total( int[] num )
	{
		// 合計値を格納する変数を宣言
		int   total;

		// 合計値の初期値を0
		total = 0;
		// 値の数を回数にした繰り返し処理
		for ( int i = 0; i < num.length; ++ i ) {
			// 値をtotalに足していく
			total = total + num[ i ];
		}
		// 合計値を格納したtotalを戻す
		return total;
	}

calc_totalメソッドは、引数として受け取ったint型配列numの値を全て足した値を戻します。

for文を0から(num.length-1)のループで、変数totalに値にnum[ i ]を足していっています。このループを抜けると、変数totalに合計値が格納されてます。 最後にreturn分でtotalの値を戻しています。

Javaソースコード

最後に、キーボード入力した値で合計値の計算するJavaソースコードを紹介します。数字を半角スペースで区切って数値を入力していき、Enterキーで入力を終了します。その際、半角スペースは2個以上連続で入力しないでください。

Total3.java

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import java.util.Scanner;

public class Total3 {
	// キーボード入力した文字列を配列に格納
	private static int[] scanNumbers( )
	{
		// Scannerを作成
		Scanner scan = new Scanner( System.in );

		// 入力した文字列をlineに格納
		String line = scan.nextLine();

		// 半角スペースで区切られた文字列を配列valuesに格納
		String[] values = line.split( " ", 0 );

		// 配列の作成
		int[] numbers = new int[ values.length ];

		// valuesの値をint型に変換し、numbersに格納
		for ( int i = 0; i < values.length; i++ ) {
			// 文字列values[ i ]をint型に変換
			try {
				numbers[ i ] = Integer.parseInt( values[ i ] );
			} catch ( NumberFormatException ex ) {
				// 数字に変換できなければnullを戻す
				return null;
			}
		}

		// int型の配列を戻す
		return numbers;
	}

	// 配列の合計を戻すメソッド
	private static int calc_total( int[] num )
	{
		// 合計値を格納する変数を宣言
		int   total;

		// 合計値の初期値を0
		total = 0;
		// 値の数を回数にした繰り返し処理
		for ( int i = 0; i < num.length; ++ i ) {
			// 値をtotalに足していく
			total = total + num[ i ];
		}
		// 合計値を格納したtotalを戻す
		return total;
	}

	// メイン
	public static void main( String[] args ) {
		// 数値群をキーボードから入力
		System.out.println( "整数値を入力(数字と数字の間は半角スペース)" );
		int[] num = scanNumbers();
		if ( null == num ) {
			System.out.println( "入力した値が不正です!" );
			return;
		}

		// 合計値を計算
		int total = calc_total( num );

		// 結果を表示
		System.out.println( "合計=" + total );
		System.out.println( "値の数=" + num.length );
		System.out.println( "平均(小数切捨て)=" + total / num.length  );
		System.out.println( "平均=" +  (double)total /  (double)num.length );
	}
}

コンパイル ソースコードが「ANSI」の場合

C:\talavax\javasample>javac -encoding sjis Total3.java

コンパイル ソースコードが「UTF-8」の場合

C:\talavax\javasample>javac Total3.java

実行

C:\talavax\javasample>java Total3

キーボードで入力した値を配列に格納する方法は、以下の記事を参照してください。

キーボードで入力した整数値を配列に格納するメソッドの作り方を解説しています。

2020.08.19

以上です。

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