2023.05.04

画像処理

RGBの平均値

指定した画像の全ての画素ピクセル)のRGB値の平均を計算するJavaソースコードを紹介しています。

元の画像
元の画像
右矢印
全画素のRGBの平均値
全画素のRGBの平均値

この処理で、「画像を一色で表したら何色か?」がわかります。

Javaのソースコード

ImageRGB1.java

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import java.awt.image.BufferedImage;
import java.io.File;
import javax.imageio.ImageIO;
import java.io.IOException;

public class ImageRGB1 {
	public static void main( String[] args ) {
		// 結果格納フラグ
		boolean result;
		// ファイル名
		String imgname;
		// 画像格納クラス
		BufferedImage img = null;

		// 入力した引数が1つ以上かを調べる
		if ( 1 > args.length ) {
			// 入力した引数が1つ未満の場合、使用方法を表示する
			System.out.println( "ImageRGB1 [入力画像名]" );
			return;
		}

		// 入力画像名をimgnameに代入(拡張子省略なし)
		imgname  = args[ 0 ];

		try {
			// imgname(入力画像)を読み込んでimgにセット
			img = ImageIO.read( new File( imgname ) );
		} catch (Exception e) {
			// imgname(入力画像)の読み込みに失敗したときの処理
			 e.printStackTrace();
			return;
		}

		// 画像の色の持ち方をチェック
		if ( BufferedImage.TYPE_3BYTE_BGR != img.getType() ) {
			System.out.println( "対応していないカラーモデルです!(" + imgname +")" );
			return;
		}

		// 画像の色の平均値を計算
		int  width, height;		// 画像サイズを格納
		int  x, y;			// 画素の座標を格納
		int  color, r, g, b;		// 画素の色を格納
		int  r_ave, g_ave, b_ave;	// 全画素のRGBの平均値を格納
		long pixnum;			// 全画素数を格納
		long r_sum, g_sum, b_sum;	// 全画素のRGBの合計値を格納

		// 画像サイズの取得
		width = img.getWidth();
		height= img.getHeight();

		// 全画素数を計算
		pixnum =  (long)width *  (long)height;
		if ( 1 > pixnum ) {
			System.out.println( "画素数が0です!(" + imgname +")" );
			return;
		}

		// RGB合計値の初期値を0
		r_sum = g_sum = b_sum = 0;

		// 全画素のRGBの合計値を取得
		for ( y = 0; y < height; ++ y ) {
			for ( x = 0; x < width; ++ x ) {
				// (x,y)の色を取得
				color = img.getRGB( x, y );

				// 色をr,g,bに分解
				r = ( color >> 16 ) & 0xff;
				g = ( color >> 8 ) & 0xff;
				b = color & 0xff;

				// rgbの合計値を計算
				r_sum +=  (long)r;
				g_sum +=  (long)g;
				b_sum +=  (long)b;
			}
		}

		// 画像全体の画素数で平均する
		r_ave =  (int)( r_sum / pixnum );
		g_ave =  (int)( g_sum / pixnum );
		b_ave =  (int)( b_sum / pixnum );


		// 結果を出力
		System.out.println( "R=" + r_ave );
		System.out.println( "G=" + g_ave );
		System.out.println( "B=" + b_ave );
	}
}

実行結果

コンパイル ソースコードが「ANSI」の場合

C:\talavax\javasample>javac -encoding sjis ImageRGB1.java

コンパイル ソースコードが「UTF-8」の場合

C:\talavax\javasample>javac ImageRGB1.java

実行

C:\talavax\javasample>java ImageRGB1 sampleimage001_400x320.jpg
RGBの平均値を求める画像
sampleimage001_400x320.jpg

出力結果

R=178
G=113
B=72

Javaソースコードの解説

ここから、ソースコードを詳しく解説していきます。

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import java.awt.image.BufferedImage;
import java.io.File;
import javax.imageio.ImageIO;
import java.io.IOException;

Javaクラスライブラリの中から「java.awt.image.BufferedImage」と「java.io.File」と「javax.imageio.ImageIO」と「java.io.IOException」というパッケージにあるクラスを、このプログラム内で使うために記述します。 この記述により、ImageIOクラスとBufferedImageクラスが利用できるようになります。

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public class ImageRGB1 {

クラス名を、ImageRGB1としています。

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	public static void main( String[] args ) {

このmainメソッドからプログラムを実行します。

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		// 結果格納フラグ
		boolean result;
		// ファイル名
		String imgname;
		// 画像格納クラス
		BufferedImage img = null;

このプログラムで使う変数を宣言しています。どのように使われているかは、後ろのソースコードで説明しています。

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		// 入力した引数が1つ以上かを調べる
		if ( 1 > args.length ) {
			// 入力した引数が1つ未満の場合、使用方法を表示する
			System.out.println( "ImageRGB1 [入力画像名]" );
			return;
		}

1つ以上の引数が与えられたかをチェックし、1つ未満の場合に、使い方のメッセージを表示し、returnによってmainメソッドを抜けています。

ここでは、フルパスの画像ファイル名を引数として渡します。

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		// 入力画像名をimgnameに代入(拡張子省略なし)
		imgname  = args[ 0 ];

与えられた引数を、入力画像名の変数(imgname)に代入しています。

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		try {
			// imgname(入力画像)を読み込んでimgにセット
			img = ImageIO.read( new File( imgname ) );
		} catch (Exception e) {
			// imgname(入力画像)の読み込みに失敗したときの処理
			 e.printStackTrace();
			return;
		}

入力画像名の変数(imgname)を読み込んで、BufferedImageクラスのimgに格納しています。この処理には、ImageIOクラスのreadメソッドを使います。

ImageIO.readメソッド

public static BufferedImage read( File input ) throws IOException
・Fileオブジェクトを復元した結果をBufferedImageに格納します。

  パラメータ input : Fileオブジェクト

  戻り値     inputを復元したBufferedImageaを返します。

try { ~ } catchは、失敗する可能性がある処理を波括弧で囲み、その処理に失敗したときにcatch { ~ }の波括弧で囲まれた処理を実行するということです。この場合は、JPEGファイル名が不正であったり、存在していなかったり、フォーマットが違っているなどが原因で処理が失敗する可能性があります。処理が失敗するとreturnによってmainメソッドを抜けるようにしています。

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		// 画像の色の持ち方をチェック
		if ( BufferedImage.TYPE_3BYTE_BGR != img.getType() ) {
			System.out.println( "対応していないカラーモデルです!(" + imgname +")" );
			return;
		}

BufferedImageクラスのgetTypeメソッド画像のイメージ型を取得しています。

BufferedImage.getTypeメソッド

public static int getType()
・イメージ型を返します。

  パラメータ なし

   戻り値     BufferedImage のイメージ型を返します。

フルカラー(24ビットカラー)でない場合、エラーメッセージを出力して、mainメソッドreturn文で抜けています。

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		// 画像の色の平均値を計算
		int  width, height;		// 画像サイズを格納
		int  x, y;			// 画素の座標を格納
		int  color, r, g, b;		// 画素の色を格納
		int  r_ave, g_ave, b_ave;	// 全画素のRGBの平均値を格納
		long pixnum;			// 全画素数を格納
		long r_sum, g_sum, b_sum;	// 全画素のRGBの合計値を格納

RGBを計算する処理で使用する変数を宣言しています。

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		// 画像サイズの取得
		width = img.getWidth();
		height= img.getHeight();

読み込んだ画像の横ピクセル数を変数width、縦ピクセル数を変数heightに代入しています。

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		// 全画素数を計算
		pixnum =  (long)width *  (long)height;
		if ( 1 > pixnum ) {
			System.out.println( "画素数が0です!(" + imgname +")" );
			return;
		}

読み込んだ画像の全ピクセル数を変数pixnumに代入しています。

変数pixnumの値が1未満の場合、エラーメッセージを出力して、mainメソッドreturn文で抜けています。

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		// RGB合計値の初期値を0
		r_sum = g_sum = b_sum = 0;

ピクセルRGB値を格納する変数r_sum、g_sum、b_sumに0を代入しています。

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		// 全画素のRGBの合計値を取得
		for ( y = 0; y < height; ++ y ) {
			for ( x = 0; x < width; ++ x ) {

ピクセルの座標(x,y)を移動する2重ループfor文で作成しています。

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				// (x,y)の色を取得
				color = img.getRGB( x, y );

BufferedImageクラスgetRGBメソッドで、(x,y)の色を変数colorに代入しています。

BufferedImage.getRGBメソッド

public static int getRGB( int x, int y )
・(x,y)で指定した画像座標の色情報を取得します。

  パラメータ x : 画像のx座標(単位ピクセル)
        y : 画像のy座標(単位ピクセル)

   戻り値      (x,y)の色情報
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				// 色をr,g,bに分解
				r = ( color >> 16 ) & 0xff;
				g = ( color >> 8 ) & 0xff;
				b = color & 0xff;

変数colorに入っている色情報を赤(R)、緑(G)画、青(B)の成分に分解し、それぞれ変数r、g、bに代入しています。

色の分解方法の詳細は以下を参照してください。

24ビット(フルカラー)、32ビットカラーからR(赤)、G(緑)、B(青)、A(アルファ値)を抽出する方法を説明しています。

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				// rgbの合計値を計算
				r_sum +=  (long)r;
				g_sum +=  (long)g;
				b_sum +=  (long)b;

long型変数r_sum、g_sum、b_sumにそれぞれ取得したr、g、bの値を足しています。

int型変数r、g、bをlong型変数に足すために、変数の前に(long)を付けて型をlong型に変えています。(型キャスト)

デジタル一眼レフカメラで、5000万画素以上で撮影できるものがあります。

5000万画素画像をこのソースコードで処理する場合、合計値の最大は、

50,000,000 × 255 = 12,759,000,000

になります。rgbは0~255の値をとるので、全ての色が255という条件で計算しています。

この値は、int型変数が持てる値の最大値2,147,483,647を超えています。

このような理由から、long型変数合計値の計算に使用しています。

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		// 画像全体の画素数で平均する
		r_ave =  (int)( r_sum / pixnum );
		g_ave =  (int)( g_sum / pixnum );
		b_ave =  (int)( b_sum / pixnum );

変数r_sum、g_sum、b_sumをそれぞれ全ピクセルpixnumで割って、RGB平均値を計算しています。

平均値を格納する変数r_ave、g_ave、b_aveはint型なので、代入の際に(int)を付けてint型に変換しています。(型キャスト)

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		// 結果を出力
		System.out.println( "R=" + r_ave );
		System.out.println( "G=" + g_ave );
		System.out.println( "B=" + b_ave );

平均値を格納した変数r_ave、g_ave、b_aveをprintln文でコンソール出力しています。

以上です。

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