2025.03.25
8ビットのグレースケールに変換
はじめに
Javaソースコード
GrayScale3.java
001 002 003 004 005 006 007 008 009 010 011 012 013 014 015 016 017 018 019 020 021 022 023 024 025 026 027 028 029 030 031 032 033 034 035 036 037 038 039 040 041 042 043 044 045 046 047 048 049 050 051 052 053 054 055 056 057 058 059 060 061 062 063 064 065 066 067 068 069 070 071 072 073 074 075 076 077 078 079 080 081 082 083 084 085 086 087
import java.awt.image.BufferedImage; import java.io.File; import javax.imageio.ImageIO; import java.io.IOException; public class GrayScale3 { public static void main( String[] args ) { // 結果格納フラグ boolean result; // ファイル名 String inname, outname; // 画像格納クラス BufferedImage img = null; // グレースケール画像格納クラス BufferedImage grayimg = null; // 入力した引数が2つ以上かを調べる if ( 2 > args.length ) { // 入力した引数が2つ未満の場合、使用方法を表示する System.out.println( "GrayScale3 [入力JPEG名] [出力JPEG名]" ); return; } // 入力JPEG名をinnameに代入(拡張子".jpg"省略なし) inname = args[ 0 ]; // 出力JPEG名をoutnameに代入(拡張子".jpg"省略なし) outname = args[ 1 ]; try { // inname(入力JPEG)を読み込んでimgにセット img = ImageIO.read( new File( inname ) ); } catch (Exception e) { // inname(入力JPEG)の読み込みに失敗したときの処理 e.printStackTrace(); return; } // 画像の色の持ち方をチェック if ( BufferedImage.TYPE_3BYTE_BGR != img.getType() ) { System.out.println( "対応していないカラーモデルです!(" + inname +")" ); return; } // グレースケール変換 int x, y; int width, height; int color; // 画像サイズの取得 width = img.getWidth(); height= img.getHeight(); // 元画像のサイズでグレースケール画像を格納するイメージを作成 try { grayimg = new BufferedImage( width, height, BufferedImage.TYPE_BYTE_GRAY ); } catch ( Exception e ) { // 画像作成に失敗したときの処理 e.printStackTrace(); return; } // グレースケール化 for ( y = 0; y < height; ++ y ) { for ( x = 0; x < width; ++ x ) { // (x,y)の色を取得 color = img.getRGB( x, y ); // 色をグレースケール画像の(x,y)に設定 grayimg.setRGB( x, y, color ); } } try { // grayimgをoutname(出力JPEG)に保存 result = ImageIO.write( grayimg, "jpeg", new File( outname ) ); } catch ( Exception e ) { // outname(出力JPEG)の保存に失敗したときの処理 e.printStackTrace(); return; } // 正常に終了 System.out.println( "正常に終了しました" ); } }
コンパイル ソースコードが「ANSI」の場合
C:\talavax\javasample>javac -encoding sjis GrayScale3.java
コンパイル ソースコードが「UTF-8」の場合
C:\talavax\javasample>javac GrayScale3.java
実行
C:\talavax\javasample>java GrayScale3 sampleimage001_400x320.jpg gray3.jpg
・元の画像(sampleimage001_400x320.jpg)

・変換後のグレースケール画像(gray3.jpg)

画像が、白色と灰色(グレー)と黒色で表現されました。
Javaソースコードの解説
ここからは、このソースコードを上から順番に解説していきます。
001 002 003 004
import java.awt.image.BufferedImage; import java.io.File; import javax.imageio.ImageIO; import java.io.IOException;
Javaのクラスライブラリの中から「java.awt.image.BufferedImage」と「java.io.File」と「javax.imageio.ImageIO」と「java.io.IOException」というパッケージにあるクラスを、このプログラム内で使うために記述します。 この記述により、ImageIOクラスとBufferedImageクラスが利用できるようになります。
006
public class GrayScale3 {
クラス名を、GrayScale3としています。
007
public static void main( String[] args ) {
008 009 010 011 012 013 014 015
// 結果格納フラグ boolean result; // ファイル名 String inname, outname; // 画像格納クラス BufferedImage img = null; // グレースケール画像格納クラス BufferedImage grayimg = null;
017 018 019 020 021 022
// 入力した引数が2つ以上かを調べる if ( 2 > args.length ) { // 入力した引数が2つ未満の場合、使用方法を表示する System.out.println( "GrayScale3 [入力JPEG名] [出力JPEG名]" ); return; }
024 025 026 027
// 入力JPEG名をinnameに代入(拡張子".jpg"省略なし) inname = args[ 0 ]; // 出力JPEG名をoutnameに代入(拡張子".jpg"省略なし) outname = args[ 1 ];
029 030 031 032 033 034 035 036
try { // inname(入力JPEG)を読み込んでimgにセット img = ImageIO.read( new File( inname ) ); } catch (Exception e) { // inname(入力JPEG)の読み込みに失敗したときの処理 e.printStackTrace(); return; }
ImageIO.readメソッド
public static BufferedImage read( File input ) throws IOException
・Fileオブジェクトを復元した結果をBufferedImageに格納します。 パラメータ input : Fileオブジェクト 戻り値 inputを復元したBufferedImageaを返します。
try { ~ } catchは、失敗する可能性がある処理を波括弧で囲み、その処理に失敗したときにcatch { ~ }の波括弧で囲まれた処理を実行するということです。この場合は、JPEGファイル名が不正であったり、存在していなかったり、フォーマットが違っているなどが原因で処理が失敗する可能性があります。処理が失敗するとreturnによってmainメソッドを抜けるようにしています。
038 039 040 041 042 043
// 画像の色の持ち方をチェック if ( BufferedImage.TYPE_3BYTE_BGR != img.getType() ) { System.out.println( "対応していないカラーモデルです!(" + inname +")" ); return; }
BufferedImage.getTypeメソッド
public static int getType()
・イメージ型を返します。 パラメータ なし 戻り値 BufferedImage のイメージ型を返します。
045 046 047 048
// グレースケール変換 int x, y; int width, height; int color;
050 051 052
// 画像サイズの取得
width = img.getWidth();
height= img.getHeight();
054 055 056 057 058 059 060 061 062
// 元画像のサイズでグレースケール画像を格納するイメージを作成 try { grayimg = new BufferedImage( width, height, BufferedImage.TYPE_BYTE_GRAY ); } catch ( Exception e ) { // 画像作成に失敗したときの処理 e.printStackTrace(); return; }
BufferedImageコンストラクタ
BufferedImage( int width, int height, int imageType )
・新しい BufferedImage を構築します。 パラメータ width : 構築する画像の横ピクセル height : 構築する画像の縦ピクセル imageType : 構築する画像のイメージ形式
imgTypeで指定しているTYPE_BYTE_GRAYは、 符号なし byte グレースケールイメージ (インデックスなし) を表します。。これを指定することで8ビットのグレースケール画像を作成できます。
try { ~ } catchは、失敗する可能性がある処理を波括弧で囲み、その処理に失敗したときにcatch { ~ }の波括弧で囲まれた処理を実行するということです。この場合は、画像ファイル名が不正であったり、存在していなかったり、フォーマットが違っているなどが原因で処理が失敗する可能性があります。処理が失敗するとreturnによってmainメソッドを抜けるようにしています。
064 065 066
// グレースケール化 for ( y = 0; y < height; ++ y ) { for ( x = 0; x < width; ++ x ) {
画像の中の全てのピクセルの座標を参照する変数xと変数yの多重ループをつくり、その座標の色情報を取得しています。具体的には、変数yを0~height-1、変数xを0~width-1に変化させながら、BufferedImageクラスのgetRGBメソッドで、(x,y)の色を変数colorに代入しています。
BufferedImage.getRGBメソッド
public static int getRGB( int x, int y )
・(x,y)で指定した画像座標の色情報を取得します。 パラメータ x : 画像のx座標(単位ピクセル) y : 画像のy座標(単位ピクセル) 戻り値 (x,y)の色情報
070 071
// 色をグレースケール画像の(x,y)に設定
grayimg.setRGB( x, y, color );
BufferedImage.setRGBメソッド
public static void setRGB( int x, int y, int color )
・(x,y)で指定した画像座標の色情報を設定します。 パラメータ x : 画像のx座標(単位ピクセル) y : 画像のy座標(単位ピクセル) color : 画像の色 戻り値 無し
075 076 077 078 079 080 081 082
try { // grayimgをoutname(出力JPEG)に保存 result = ImageIO.write( grayimg, "jpeg", new File( outname ) ); } catch ( Exception e ) { // outname(出力JPEG)の保存に失敗したときの処理 e.printStackTrace(); return; }
BufferedImageクラスのgrayimgのメモリ内のデータを、出力JPEG名の変数(outname)に格納されているファイル名で保存します。この場合は、JPEGファイル名が不正であったり、保存先のHDDなどが存在していなかったり、空き容量が少ないなどが原因で処理が失敗する可能性があります。
ImageIO.wrireメソッド
public static boolean write( RenderedImage im, String formatName, File output ) throws IOException
・BufferedImageを画像ファイルに保存します。 パラメータ RenderedImage : 保存するRenderedImage formatName : 画像ファイルのフォーマット(png/jpeg/bmp/gifなど) output : Fileオブジェクト 戻り値 保存に成功するとtrue、失敗するとfalseを返します。
084 085
// 正常に終了 System.out.println( "正常に終了しました" );
全ての処理が正常終了すると、ここまで処理が実行されます。
興味があれば、いろんな画像を変換してみてください。
以上です。
グレースケールに関するコンテンツ
「グレースケール」に関係があるコンテンツをまとめています。
関連コンテンツ
一般に使われている画像フォーマットには、いろいろな種類があります。画像フォーマットBMP、JPEG、PNG、GIF、TIFFの特徴を知ってますか?
2値化は、画像処理の1つの方法で、カラー画像を2つ色だけで表現する画像に変換することです。この記事では、2値の画像メモリを使って変換しています。
数値を2進数で表したときの各桁の「0」と「1」に対して演算を行えます。4種類の演算、AND(論理積)、OR(論理和)、XOR(排他的論理和)、NOT(否定)を詳しく説明しています。