2024.10.20

掛け算なしで平方表の作成

はじめに

ここでは、掛け算を使わないで0から100の平方(二乗)の表を作成するJavaソースコードを紹介します。

  0     0
  1     1
  2     4
  3     9
  4    16
  5    25
  6    36
  7    49
  8    64
  9    81
 10   100

    :

 90  8100
 91  8281
 92  8464
 93  8649
 94  8836
 95  9025
 96  9216
 97  9409
 98  9604
 99  9801
100 10000

平方とは

平方(2乗)は、以下の式で計算します。

	aの平方 = a2

これを別の式で書くと、

	aの平方 = a x a

となります。

平方「(a+1)2」と「a2」の差

ここでは、掛け算を使わないで平方の表を作成するための準備として、「(a+1)2」と「a2」の差について説明します。

aの平方とaに1を足した(a+1)の平方の差は、以下の式で計算できます。

	(a+1)2 - a2 = 2a + 1 = a + a + 1
	22 - 12 = 1 + 1 + 1 = 3
	32 - 22 = 2 + 2 + 1 = 5
	42 - 32 = 3 + 3 + 1 = 7
	52 - 42 = 4 + 4 + 1 = 9
		:
	992 - 982 = 98 + 98 + 1 = 197
	1002 - 992 = 99 + 99 + 1 = 199
		:

このように「a2」に「a + a + 1」を足すと「(a+1)2」が求められます。

	(a+1)2 = a2 + a + a + 1

具体例でみていきましょう。

4の平方を求めてみる

4の平方を求める場合は、上の式のaに3を代入します。

	(3+1)2 = 32 + 3 + 3 + 1
	42 = 9 + 3 + 3 + 1
	42 = 16

4の平方は「16」になりました。

100の平方を求めてみる

100の平方を求める場合は、上の式のaに99を代入します。

	(99+1)2 = 992 + 99 + 99 + 1
	1002 = 9801 + 99 + 99 + 1
	1002 = 10000

100の平方は「100」になりました。

平方表の作成

平方の差を利用して、平方の表を作成します。

ここで作成する表は、a=0から開始します。

a=0の場合、a2=0です。

a=1の平方は、

	(a+1)2 = a2 + a + a + 1
	(0+1)2 = 02 + 0 + 0 + 1 = 1

となります。

さらに、aを1ずつ増やしていくと、

	(1+1)2 = (0+1)2 + 1 + 1 + 1 = 1 + 1 + 1 + 1 = 4
	(2+1)2 = (1+1)2 + 2 + 2 + 1 = 4 + 2 + 2 + 1 = 9
	(3+1)2 = (2+1)2 + 3 + 3 + 1 = 9 + 3 + 3 + 1 = 16

となります。

このように、(a-1)の平方にaを2回足して、1を足す計算を繰り返すことで掛け算を使わないで平方の表を作成することができます。

Javaソースコード

SqrTable1.java

001
002
003
004
005
006
007
008
009
010
011
012
013
014
015
016
017
018
public class SqrTable1 {
	public static void main( String[] args ) {
		// 平方の初期値0を代入
		int sqr = 0;

		// 0~100の平方(2乗)を出力
		for ( int i = 0; i <= 100; i++ ) {
			// iとiの平方sqrを出力
			System.out.printf( "%3d%6d", i, sqr );

			// (i+1)と(i+1)の平方sqrを計算
			sqr += i + i + 1;

			// 改行
			System.out.println();
		}
	}
}

コンパイル ソースコードが「ANSI」の場合

C:\talavax\javasample>javac -encoding sjis SqrTable1.java

コンパイル ソースコードが「UTF-8」の場合

C:\talavax\javasample>javac SqrTable1.java

実行

C:\talavax\javasample>java SqrTable1

実行結果

  0     0
  1     1
  2     4
  3     9
  4    16
  5    25
  6    36
  7    49
  8    64
  9    81
 10   100
 11   121
 12   144
 13   169
 14   196
 15   225
 16   256
 17   289
 18   324
 19   361
 20   400
 21   441
 22   484
 23   529
 24   576
 25   625
 26   676
 27   729
 28   784
 29   841
 30   900
 31   961
 32  1024
 33  1089
 34  1156
 35  1225
 36  1296
 37  1369
 38  1444
 39  1521
 40  1600
 41  1681
 42  1764
 43  1849
 44  1936
 45  2025
 46  2116
 47  2209
 48  2304
 49  2401
 50  2500
 51  2601
 52  2704
 53  2809
 54  2916
 55  3025
 56  3136
 57  3249
 58  3364
 59  3481
 60  3600
 61  3721
 62  3844
 63  3969
 64  4096
 65  4225
 66  4356
 67  4489
 68  4624
 69  4761
 70  4900
 71  5041
 72  5184
 73  5329
 74  5476
 75  5625
 76  5776
 77  5929
 78  6084
 79  6241
 80  6400
 81  6561
 82  6724
 83  6889
 84  7056
 85  7225
 86  7396
 87  7569
 88  7744
 89  7921
 90  8100
 91  8281
 92  8464
 93  8649
 94  8836
 95  9025
 96  9216
 97  9409
 98  9604
 99  9801
100 10000

Javaソースコードの解説

001
public class SqrTable1 {

クラス名を、SqrTable1としています。

002
	public static void main( String[] args ) {

このmainメソッドからプログラムを実行します。

003
004
		// 平方の初期値0を代入
		int sqr = 0;

平方の初期値0をint型変数sqrに代入しています。

006
007
		// 0~100の平方(2乗)を出力
		for ( int i = 0; i <= 100; i++ ) {

for文int型変数iを0から100まで1ずつ変化させるループを作成しています。

008
009
			// iとiの平方sqrを出力
			System.out.printf( "%3d%6d", i, sqr );

変数iと平方の値sqrをコンソール出力しています。

変数i変数sqrは、以下の式のa、a2に対応しています。

	aの平方 = a2

変数i、sqrの値の桁を揃えて出力するために、printfメソッドで書式を指定しています。

書式"%3d%6d"%3dは「整数を最小桁数3桁」、%6dは「整数を最小桁数6桁」で出力することを表しています。半角スペース付の右詰になります。

011
012
			// (i+1)と(i+1)の平方sqrを計算
			sqr += i + i + 1;

平方sqrに「i + i + 1」を足しています。

「i + i + 1」は以下の式の「a + a + 1」です。

	(a+1)2 = a2 + a + a + 1
014
015
			// 改行
			System.out.println();

改行しています。

以上です。

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