2019.06.18

同心円模様

はじめに

画像サイズと黒の線幅と白の線幅を指定することで、黒と白の同心縁模様画像を作成します。ここで紹介するプログラムで出力する画像の形式PNGファイルです。

同心円模様画像

上の画像の例は、画像サイズ:256x256、黒のピクセル幅:10、白のピクセル幅:20で作成したものです。この例では、中心付近の色は白色になるようにしています。

Javaソースコード

Pattern_Circles01.java

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import java.awt.image.BufferedImage;
import java.io.File;
import javax.imageio.ImageIO;
import java.io.IOException;

public class Pattern_Circles01 {
	public static void main( String[] args ) {
		// 変数宣言
		int w, h;	// 画像サイズ
		int w_b;	// 黒の幅
		int w_w;	// 白の幅
		String outname;	// 出力ファイル名
		BufferedImage img = null;	// 画像格納クラス

		// 入力した引数が5以上かを調べる
		if ( 5 > args.length ) {
			// 入力した引数が5未満の場合、使用方法を表示する
			System.out.println( 
				"Pattern_Circles01 [PNG名] [画像幅] [画像高] [黒幅] [白幅]" );
			return;
		}

		try {
			// 引数を変換し、画像の幅と高さをwとhに代入
			w =  Integer.valueOf( args[ 1 ] );
			h =  Integer.valueOf( args[ 2 ] );

			// 引数を変換し、黒の幅w_bに代入
			w_b = Integer.valueOf( args[ 3 ] );
			if ( 1 > w_b ) {
				System.out.println( "黒幅に1以上を指定!" );
				return;
			}

			// 引数を変換し、白の幅w_wに代入
			w_w = Integer.valueOf( args[ 4 ] );
			if ( 1 > w_w ) {
				System.out.println( "白幅に1以上を指定!" );
				return;
			}
		}
		catch( NumberFormatException ne )
		{
			System.out.println( "引数が不正です" );
			return;
		}
		// 出力PNG名をoutnameに代入(拡張子".png"省略なし)
		outname = args[ 0 ];

		// 新しい画像を作成
		// 24ビットカラーの画像を作成
		try {
			img = new BufferedImage( w, h,
						 BufferedImage.TYPE_INT_RGB );
		} catch ( Exception e ) {
			// 画像作成に失敗したときの処理
			e.printStackTrace();
			return;
		}

		// 同心円画像作成
		int    x, y;
		int    color, r, g, b;	// 計算した色
		double ox, oy;		// 画像の中心座標
		double l;		// 画像の中心座標からの距離
		double dx, dy;		// 画像の中心座標からの距離(x,y毎)
	
		// 画像の中心座標を計算
		ox =  (double)( w - 1 ) / 2.0;
		oy =  (double)( h - 1 ) / 2.0;
	
		// 画像の作成メインループ
		for ( y = 0; y < h; ++ y ) {
			// 中心座標oyからのyまでの距離
			dy =  (double)y - oy;

			for ( x = 0; x < w; ++ x ) {
				// 中心座標oxからのxまでの距離
				dx =  (double)x - ox;

				// 中心座標からの距離計算
				l = Math.sqrt( dx * dx + dy * dy );

				// 黒か白かの判定
				if ( ( l %  (double)( w_b + w_w ) ) <=  (double)w_w )
					r = g = b = 255;
				else
					r = g = b = 0;

				// r,g,bの色を合成
				color = ( r << 16 ) + ( g << 8 ) + b;

				// 合成した色を(x,y)に設定
				img.setRGB( x, y, color );
			}
		}

		try {
			// imgをoutname(出力PNG)に保存
			boolean result;
			result = ImageIO.write( img, "PNG", new File( outname ) );
		} catch ( Exception e ) {
			// outname(出力PNG)の保存に失敗したときの処理
			e.printStackTrace();
			return;
		}

		// 正常に終了
		System.out.println( "正常に終了しました" );
	}
}

コンパイル ソースコードが「ANSI」の場合

C:\talavax\javasample>javac -encoding sjis Pattern_Circles01.java

コンパイル ソースコードが「UTF-8」の場合

C:\talavax\javasample>javac Pattern_Circles01.java

実行

C:\talavax\javasample>java Pattern_Circles01 pattern_circles01.png 256 256 20 10

Javaソースコードの解説

ここからは、このJavaソースコードを上から順番に解説していきます。

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004
import java.awt.image.BufferedImage;
import java.io.File;
import javax.imageio.ImageIO;
import java.io.IOException;

Javaクラスライブラリの中から「java.awt.image.BufferedImage」と「java.io.File」と「javax.imageio.ImageIO」と「java.io.IOException」というパッケージにあるクラスを、このプログラム内で使うために記述します。この記述により、BufferedImageクラスImageIOクラスが利用できるようになります。

006
public class Pattern_Circles01 {

クラス名を、Pattern_Circles01としています。

007
	public static void main( String[] args ) {

このmainメソッドからプログラムを実行します。

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013
		// 変数宣言
		int w, h;	// 画像サイズ
		int w_b;	// 黒の幅
		int w_w;	// 白の幅
		String outname;	// 出力ファイル名
		BufferedImage img = null;	// 画像格納クラス

このプログラムで使う変数を宣言しています。

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		// 入力した引数が5以上かを調べる
		if ( 5 > args.length ) {
			// 入力した引数が5未満の場合、使用方法を表示する
			System.out.println( 
				"Pattern_Circles01 [PNG名] [画像幅] [画像高] [黒幅] [白幅]" );
			return;
		}

5つ以上の引数が与えられたかをチェックし、5つ未満の場合に、使い方のメッセージを表示し、returnによってmainメソッドを抜けています。

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		try {
			// 引数を変換し、画像の幅と高さをwとhに代入
			w =  Integer.valueOf( args[ 1 ] );
			h =  Integer.valueOf( args[ 2 ] );

			// 引数を変換し、黒の幅w_bに代入
			w_b = Integer.valueOf( args[ 3 ] );
			if ( 1 > w_b ) {
				System.out.println( "黒幅に1以上を指定!" );
				return;
			}

			// 引数を変換し、白の幅w_wに代入
			w_w = Integer.valueOf( args[ 4 ] );
			if ( 1 > w_w ) {
				System.out.println( "白幅に1以上を指定!" );
				return;
			}
		}
		catch( NumberFormatException ne )
		{
			System.out.println( "引数が不正です" );
			return;
		}
		// 出力PNG名をoutnameに代入(拡張子".png"省略なし)
		outname = args[ 0 ];

与えられた引数をそれぞれ、作成する画像の幅/高さ、黒ピクセルの幅、白ピクセルの幅、出力PNG名を格納する変数に代入しています。画像の幅/高さ、黒ピクセルの幅、白ピクセルの幅の引数String型なので、Integerクラスを使ってint型に変換しています。

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		// 新しい画像を作成
		// 24ビットカラーの画像を作成
		try {
			img = new BufferedImage( w, h,
						 BufferedImage.TYPE_INT_RGB );
		} catch ( Exception e ) {
			// 画像作成に失敗したときの処理
			e.printStackTrace();
			return;
		}

BufferedImageクラスコンストラクタで、新しいBufferedImageを構築しています。

BufferedImageコンストラクタ

BufferedImage( int width, int height, int imageType )
・新しい BufferedImage を構築します。
  パラメータ width     : 構築する画像の横ピクセル
        height    : 構築する画像の縦ピクセル
        imageType : 構築する画像のイメージ形式
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		// 同心円画像作成
		int    x, y;
		int    color, r, g, b;	// 計算した色
		double ox, oy;		// 画像の中心座標
		double l;		// 画像の中心座標からの距離
		double dx, dy;		// 画像の中心座標からの距離(x,y毎)

画像作成で使う変数を宣言しています。

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		// 画像の中心座標を計算
		ox =  (double)( w - 1 ) / 2.0;
		oy =  (double)( h - 1 ) / 2.0;

画像の中心座標を計算しています。画像座標の範囲は、左上(0,0)~右下(w-1,h-1)なので、(w-1)と(h-1)を2で割った値が画像の中心座標になります。

画像の中心座標の計算方法はこちらを参照してください。

画像の中心座標の計算方法を図を使って詳しく解説しています。興味のある方は、この記事をご覧ください。

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		// 画像の作成メインループ
		for ( y = 0; y < h; ++ y ) {
			// 中心座標oyからのyまでの距離
			dy =  (double)y - oy;

			for ( x = 0; x < w; ++ x ) {
				// 中心座標oxからのxまでの距離
				dx =  (double)x - ox;

				// 中心座標からの距離計算
				l = Math.sqrt( dx * dx + dy * dy );

				// 黒か白かの判定
				if ( ( l %  (double)( w_b + w_w ) ) <=  (double)w_w )
					r = g = b = 255;
				else
					r = g = b = 0;

				// r,g,bの色を合成
				color = ( r << 16 ) + ( g << 8 ) + b;

				// 合成した色を(x,y)に設定
				img.setRGB( x, y, color );
			}
		}

画像の中の全てのピクセルの座標(x,y)を参照するループをつくり、その座標の色が黒か白かを判定していきます。判定した色を(x,y)に代入していきます。

判定には、画像の中心座標(ox,oy)と(x,y)を結んだ線の距離lを使います。

ピタゴラスの定理

求めた距離lを(黒ピクセル幅+白ピクセル幅)で割った余りを求め、その値が白ピクセル幅以下であれば白色とし、超えていれば黒色としています。

同心円の白黒判定
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		try {
			// imgをoutname(出力PNG)に保存
			boolean result;
			result = ImageIO.write( img, "PNG", new File( outname ) );
		} catch ( Exception e ) {
			// outname(出力PNG)の保存に失敗したときの処理
			e.printStackTrace();
			return;
		}

BufferedImageクラスのimgのメモリ内のデータを、出力PNG名の変数(outname)に格納されているファイル名で保存します。この場合は、PNGファイル名が不正であったり、保存先のHDDなどが存在していなかったり、空き容量が少ないなどが原因で処理が失敗する可能性があります。

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		// 正常に終了
		System.out.println( "正常に終了しました" );

全ての処理が正常終了すると、ここまで処理が実行されます。

以上です。

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