2022.10.17

数学

二次方程式の解の公式

二次方程式

二次方程式

の解を求める式は、

二次方程式の解の公式

です。これが、二次方程式の解の公式です。

上の式のa≠0は、aが0の場合は、二次方程式の解の公式が使えないことを表しています。公式の分母の2aが0になるので解を導きだせません。

この公式によって導かれる解は、最大2つです。以下のx1とx2です。

平方根の中の式(判別式)が0未満の場合は「解なし」、判別式の計算結果が0の場合は、x1とx2の値が同じになるので解が1つです。

二次方程式の解の1つ目
二次方程式の解の2つ目

Javaソースコード

以下は、二次方程式のパラメータa、b、cを与えてxを計算するJavaソースコードです。

QuadraticFormula.java

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public class QuadraticFormula {
	// 二次方程式の解
	private static double[] get( double a, double b, double c )
	{
		// 0とみなす値(任意)
		double e = 0.00000000001;

		// aが0でないかを判定
		if ( e > Math.abs( a ) ) return null;	// 解なし

		// 判別式
		double d = b * b - 4.0 * a * c;

		// 判別式で解の存在を判定
		if ( 0.0 > d ) return null;	// 解なし

		// 解を格納する配列
		double[] x = null;
	
		// 解が1つだけ存在
		if ( e > d ) {
			x = new double[ 1 ];
			x[ 0 ] = -b / ( 2.0 * a );
		}
		else {
			// 解が2つ存在
			x = new double[ 2 ];
			x[ 0 ] = ( -b + Math.sqrt( d ) ) / ( 2.0 * a );
			x[ 1 ] = ( -b - Math.sqrt( d ) ) / ( 2.0 * a );
		}

		return x;
	}


	// 結果出力
	private static void output( double[] x, double a, double b, double c )
	{
		// パラメーターの出力
		System.out.println( "a=" + a + ", b=" + b + ", c=" + c );

		// 解がない場合
		if ( null == x ) {
			System.out.println( "解なし" );
			return;
		}

		// 解が1つの場合
		if ( 1 == x.length ) {
			System.out.println( "x=" + x[ 0 ] );
			return;
		}

		// 解が2つの場合
		if ( 2 == x.length ) {
			System.out.println( "x=" + x[ 0 ] + " と x=" + x[ 1 ] );
		}
	} 


	// メイン
	public static void main( String[] args ) {
		// 方程式のパラメータ
		double a, b, c;

		// 解を格納する配列
		double[] x;

		// 3x^2 - 30x - 48 = 0
		a = 3.0;
		b = -30.0;
		c = 48.0;
		x = get( a, b, c );	// 解の計算
		output( x, a, b, c );	// a,b,cと解を出力

		// 次の出力結果との隙間
		System.out.println();	// 改行

		// x^2 - 6x + 9 = 0
		a = 1.0;
		b = -6.0;
		c = 9.0;
		x = get( a, b, c );	// 解の計算
		output( x, a, b, c );	// a,b,cと解を出力

		// 次の出力結果との隙間
		System.out.println();	// 改行

		// x^2 + x + 1 = 0
		a = 1.0;
		b = 1.0;
		c = 1.0;
		x = get( a, b, c );	// 解の計算
		output( x, a, b, c );	// a,b,cと解を出力

		// 次の出力結果との隙間
		System.out.println();	// 改行

		// x - 5 = 0
		a = 0.0;
		b = 1.0;
		c = -5.0;
		x = get( a, b, c );	// 解の計算
		output( x, a, b, c );	// a,b,cと解を出力
	}
}

出力結果

a=3.0, b=-30.0, c=48.0
x=8.0 と x=2.0

a=1.0, b=-6.0, c=9.0
x=3.0

a=1.0, b=1.0, c=1.0
解なし

a=0.0, b=1.0, c=-5.0
解なし

Javaソースコードの解説

001
public class QuadraticFormula {

クラス名を、QuadraticFormulaとしています。

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003
004
	// 二次方程式の解
	private static double[] get( double a, double b, double c )
	{

ここから二次方程式の解を計算するメソッドです。引数double型のa、b、cを渡すと、解をdouble型配列で戻します。

解が2つの場合は配列要素数が2、1つの場合は配列要素数が1、解がない場合はnullを戻します。

005
006
		// 0とみなす値(任意)
		double e = 0.00000000001;

0とみなすためのdouble型の値を変数eに代入しています。この値は任意です。必要な精度に応じて変更してください。

008
009
		// aが0でないかを判定
		if ( e > Math.abs( a ) ) return null;	// 解なし

引数aが0かどうかを判定し、0であればreturn文nullを戻しています。

判定方法は、aの絶対値が0とみなせる値を格納した変数eより小さい場合に0と判定しています。

Math.absメソッド

public static int Math.abs( int a )
public static long Math.abs( long a )
public static float Math.abs( float a )
public static double Math.abs( double a )
public static int Math.abs( byte a )
public static int Math.abs( short a )
・引数aに指定した数値の絶対値を返します。

  パラメータ a : 絶対値を求めたい数値

  戻り値     aの絶対値を返します。
  戻りの変数型は、基本的に引数と同じ変数型と考えてよいです。
011
012
		// 判別式
		double d = b * b - 4.0 * a * c;

二次方程式の解の公式平方根の中の式を判別式といいます。その判別式にa、b、cを与えて計算しています。

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015
		// 判別式で解の存在を判定
		if ( 0.0 > d ) return null;	// 解なし

判別式の計算結果dがマイナスがどうかを判定し、マイナスであれば解がないのでnullを戻します。

マイナスの値の平方根が計算できないからです。

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018
		// 解を格納する配列
		double[] x = null;

解を格納するdouble型配列を宣言しています。初期値にnullを代入しています。

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		// 解が1つだけ存在
		if ( e > d ) {
			x = new double[ 1 ];
			x[ 0 ] = -b / ( 2.0 * a );
		}

判別式の計算結果dが0とみなせる値を格納した変数eより小さい場合に、判別式を0と判定しています。

この処理に到達している場合、既にdが0以上なので、変数eより小さければdは0と判定できます。

判別式の計算結果dが0の場合、解が1つなので、配列xの要素を1つで作成し、判別式を0にして計算した結果を代入しています。

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		else {
			// 解が2つ存在
			x = new double[ 2 ];
			x[ 0 ] = ( -b + Math.sqrt( d ) ) / ( 2.0 * a );
			x[ 1 ] = ( -b - Math.sqrt( d ) ) / ( 2.0 * a );
		}

判別式の計算結果dが0より大きい場合、解が2つなので、配列xの要素を2つで作成し、それぞれの解を配列の1つ目と2つ目に代入しています。

Math.sqrtメソッド

public static double Math.sqrt( double a )
・引数aで指定した数値の平方根を返します。

  パラメータ a : 平方根を求める数値

  戻り値     aの平方根
032
		return x;

解を格納した配列xを戻して終了です。この時点で、配列要素数は1または2です。

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037
	// 結果出力
	private static void output( double[] x, double a, double b, double c )

ここから二次方程式のパラメーターa、b、cと解をコンソール出力するメソッドです。引数に解を格納した配列xとdouble型のa、b、cを渡すと結果をコンソール出力します。

039
040
		// パラメーターの出力
		System.out.println( "a=" + a + ", b=" + b + ", c=" + c );

パラメーターa、b、cを横並びでコンソール出力しています。

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		// 解がない場合
		if ( null == x ) {
			System.out.println( "解なし" );
			return;
		}

配列xがnullの場合、解がないので、"解なし"をコンソール出力しています。

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		// 解が1つの場合
		if ( 1 == x.length ) {
			System.out.println( "x=" + x[ 0 ] );
			return;
		}

配列xの要素数が1の場合、解が1つなので、x[ 0 ]の値をコンソール出力しています。

配列xの要素数は、x.lengthで取得できます。

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		// 解が2つの場合
		if ( 2 == x.length ) {
			System.out.println( "x=" + x[ 0 ] + " と x=" + x[ 1 ] );
		}

配列xの要素数が2の場合、解が2つなので、x[ 0 ]とx[ 1 ]の値を横並びでコンソール出力しています。

このソースコードの実行ではないことですが、配列xの要素数が3以上の場合、パラメーターa、b、cだけが出力されます。

061
062
	// メイン
	public static void main( String[] args ) {

このmainメソッドからプログラムを実行します。

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		// 方程式のパラメータ
		double a, b, c;

方程式のパラメーターa、b、cを格納する変数を宣言しています。

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		// 解を格納する配列
		double[] x;

方程式の公式の解を格納するdouble型配列xを宣言しています。

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		// 3x^2 - 30x - 48 = 0
		a = 3.0;
		b = -30.0;
		c = 48.0;
		x = get( a, b, c );	// 解の計算
		output( x, a, b, c );	// a,b,cと解を出力

パラメーターa=3.0、b=-30.0、c=48.0を二次方程式の解を計算するgetメソッドに渡して、解xを取得しています。

解xとパラメーターa、b、cを結果出力メソッドoutputに渡して、コンソール出力しています。

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		// 次の出力結果との隙間
		System.out.println();	// 改行

次の出力結果との隙間を開けるために改行しています。

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		// x^2 - 6x + 9 = 0
		a = 1.0;
		b = -6.0;
		c = 9.0;
		x = get( a, b, c );	// 解の計算
		output( x, a, b, c );	// a,b,cと解を出力

		// 次の出力結果との隙間
		System.out.println();	// 改行

		// x^2 + x + 1 = 0
		a = 1.0;
		b = 1.0;
		c = 1.0;
		x = get( a, b, c );	// 解の計算
		output( x, a, b, c );	// a,b,cと解を出力

		// 次の出力結果との隙間
		System.out.println();	// 改行

		// x - 5 = 0
		a = 0.0;
		b = 1.0;
		c = -5.0;
		x = get( a, b, c );	// 解の計算
		output( x, a, b, c );	// a,b,cと解を出力

上記と同様にパラメーターa、b、cを変えて、結果を出力しています。

以上です。

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