Javaでグラフィック

正三角形の描画

GraphicsクラスdrawLineメソッドを使って正三角形を表示する方法を説明します。正三角形は、3辺の長さが全て同じ三角形です。

正三角形の描画

ここで紹介している方法は、正三角形の重心座標と1辺の長さから3つの角の頂点座標を計算し、それら3つの座標drawLineで結んで三角形を表示するものです。

Javaソースコード

以下が正三角形を表示するJavaソースコードと実行結果です。

GR_Triangle.java

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import java.awt.*;
import javax.swing.*;

public class GR_Triangle {
	public static void main(String[] args) {
		JFrame frame = new JFrame();

		//  タイトル名を設定
		frame.setTitle( "正三角形描画" );

		// フレームの大きさを設定
		frame.setSize( 256, 256 );

		// ”×”ボタンを押した時の処理を設定
		frame.setDefaultCloseOperation( JFrame.EXIT_ON_CLOSE );

		// フレームにパネルを追加
		MyPanel panel = new MyPanel();
		frame.getContentPane().add( panel );

		// フレームを表示
		frame.setVisible( true );
	}
}


// JPanelを継承したMyPanelを作成
class MyPanel extends JPanel {
	public MyPanel() {
		// 背景色を白(white)に設定
		setBackground( Color.white );
	}


	// drawLineによる正三角形の描画
	//  g  : グラフィックコンテキスト
	//  gx : 正三角形の重心x座標
	//  gy : 正三角形の重心y座標
	//  a  : 1辺の長さ
	private void drawTriangle( Graphics g, int gx, int gy, int a )
	{
		// 三角形の3つの角の座標
		int x1, y1, x2, y2, x3, y3;

		// 正三角形の高さ
		double h;

		// 正三角形の高さの計算
		double l =  (double)a;
		h = Math.sqrt( l * l - ( l / 2.0 ) * ( l / 2.0 ) );
		
		// 正三角形の頂点座標を計算
		x1 = gx;
		y1 =  (int)(  (double)gy - h * 2.0 / 3.0 );

		x2 =  (int)(  (double)gx - l / 2.0 );
		y2 =  (int)(  (double)gy + h * 1.0 / 3.0 );

		x3 =  (int)(  (double)gx + l / 2.0 );
		y3 = y2;

		// 各辺の描画
		g.drawLine( x1, y1, x2, y2 );
		g.drawLine( x2, y2, x3, y3 );
		g.drawLine( x3, y3, x1, y1 );
	}


	// 描画
	public void paintComponent( Graphics g ) {
		super.paintComponent( g );

		// ラインの色を黒(black)に設定
		g.setColor( Color.black );

		// 正三角形を描画
		drawTriangle( g, 120, 127, 100 );
	}
}

コンパイル ソースコードが「ANSI」の場合

C:\talavax\javasample>javac -encoding sjis GR_Triangle.java

コンパイル ソースコードが「UTF-8」の場合

C:\talavax\javasample>javac GR_Triangle.java

実行

C:\talavax\javasample>java GR_Triangle

実行結果

drawLineによる正三角形の描画

Javaソースコードの解説

ここからは、このソースコードを上から順番に解説していきます。

001
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import java.awt.*;
import javax.swing.*;

Javaクラスライブラリの中から「java.awt」と 「javax.swing」というパッケージにあるクラスを、このプログラム内で使うために記述します。

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public class GR_Triangle {

クラス名を、GR_Triangleとしています。

005
	public static void main(String[] args) {

このmainメソッドからプログラムを実行します。

006
		JFrame frame = new JFrame();

フレームの表示は、JFrameクラスを使います。

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		//  タイトル名を設定
		frame.setTitle( "正三角形描画" );

ウィンドウに表示するタイトルを指定します。この例では、正三角形描画という文字列を指定しています。

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012
		// フレームの大きさを設定
		frame.setSize( 256, 256 );

フレーム全体のサイズを指定します。この例では、フレーム全体(タイトルバーと縁を含む)のサイズは256x256ピクセルです。

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		// ”×”ボタンを押した時の処理を設定
		frame.setDefaultCloseOperation( JFrame.EXIT_ON_CLOSE );

"×"ボタンを押したときの処理を指定します。JFrame.EXIT_ON_CLOSEは、フレームを閉じることを意味しています。

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		// フレームにパネルを追加
		MyPanel panel = new MyPanel();
		frame.getContentPane().add( panel );

フレームにパネル(Jpanelクラス)を割り当てます。パネルは、グラフィック表示やボタンなどを乗せられる板のようなものです。ここでは、JPanelクラスを継承したMyPanelクラスを作り、そのクラスの中でラインを描画します。MyPanelクラスのソースは27行目から書いています。

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// JPanelを継承したMyPanelを作成
class MyPanel extends JPanel {

JPanelクラスを継承したMyPanelクラスです。

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	public MyPanel() {
		// 背景色を白(white)に設定
		setBackground( Color.white );

パネルの背景色を白にしています。public MyPanel()は、MyPanelクラスが作られる(実行される)ときに1回だけ呼ばれるメソッドです。public クラス名( 引数 )を書くことで、最初に実行するメソッドを作ることが出来ます。

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	// drawLineによる正三角形の描画
	//  g  : グラフィックコンテキスト
	//  gx : 正三角形の重心x座標
	//  gy : 正三角形の重心y座標
	//  a  : 1辺の長さ
	private void drawTriangle( Graphics g, int gx, int gy, int a )
	{
		// 三角形の3つの角の座標
		int x1, y1, x2, y2, x3, y3;

		// 正三角形の高さ
		double h;

		// 正三角形の高さの計算
		double l =  (double)a;
		h = Math.sqrt( l * l - ( l / 2.0 ) * ( l / 2.0 ) );
		
		// 正三角形の頂点座標を計算
		x1 = gx;
		y1 =  (int)(  (double)gy - h * 2.0 / 3.0 );

		x2 =  (int)(  (double)gx - l / 2.0 );
		y2 =  (int)(  (double)gy + h * 1.0 / 3.0 );

		x3 =  (int)(  (double)gx + l / 2.0 );
		y3 = y2;

		// 各辺の描画
		g.drawLine( x1, y1, x2, y2 );
		g.drawLine( x2, y2, x3, y3 );
		g.drawLine( x3, y3, x1, y1 );
	}

正三角形を描画するメソッドです。

48行目から50行目で、三角形高さhの計算を行っています。与えられた1辺の長さadouble型変数lに代入し、下図の計算式で高さを計算しています。

drawLineによる

ピタゴラスの定理で、高さを得ることができます。

52行目から60行目で、三角形の頂点の座標を計算しています。下図のように重心は底辺から1/3に位置することを利用し、高さhと重心座標(gx,gy)で頂点の座標(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)を計算しています。

drawLineによる

62行目から65行目で、3つの座標drawLineで結んで三角形を描画しています。

Graphics.drawLineメソッド

public abstract void drawLine( int x1, int y1, int x2, int y2 )
・このグラフィックスコンテキストの座標系の点 (x1, y1) と点 (x2, y2) との間に現在の色を使って線を描きます。

  パラメータ x1 : グラフィックスコンテキストのx座標1
        y1 : グラフィックスコンテキストのy座標1
        x2 : グラフィックスコンテキストのx座標2
        y2 : グラフィックスコンテキストのy座標2

  戻り値   なし
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	// 描画
	public void paintComponent( Graphics g ) {
		super.paintComponent( g );

パネルの描画メソッドです。このpublic void paintComponent( Graphics g )メソッドは、パネルの表示が必要なときに呼び出されるメソッドです。メソッド名と引数は、変えないでください。

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		// ラインの色を黒(black)に設定
		g.setColor( Color.black );

ここから正三角形の描画です。ここでは、ラインの色を黒に設定しています。

Graphics.setColorメソッド

public abstract void setColor( Color c )
・このグラフィックスコンテキストの現在の色を、指定された色に設定します。

  パラメータ c : 色

  戻り値   なし
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		// 正三角形を描画
		drawTriangle( g, 120, 127, 100 );

正三角形の描画メソッドを呼び出しています。グラフィック座標(120,127)で重心を指定し、1辺の長さを100にしています。この例では線幅を指定していないので1ピクセルの幅の三角形が描画されます。

重心座標は3頂点の平均値ですが、ここで指定する重心座標は、正三角形の中心付近の座標として指定してみてください。正確な位置に表示したければ、drawTriangleメソッドに3頂点のどれかの値を与えるように変更する必要があります。興味があれば試してください。

以上です。

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