2023.05.22

ミニゲーム

「じゃんけん」の作成 その1

「じゃんけん」とは?

「じゃんけん」は、2人以上が同時に手を出し、その指の形で勝敗を決める遊びです。指の形はグー(石)チョキ(ハサミ)パー(紙)の3種類です。

「じゃんけん」の勝ち負けは以下のように決まります。

グーは、チョキに勝ち、パーに負ける。
チョキは、パーに勝ち、グーに負ける。
パーは、グーに勝ち、チョキに負ける。

グーとグーは、あいこ(引き分け)。
チョキとチョキは、あいこ(引き分け)。
パーとパーは、あいこ(引き分け)。

プログラムの作成手順

①グー、チョキ、パーを0~2の整数で定義します。

②相手の手を乱数で決めます。乱数は0~2の整数

③キーボードで自分の手を入力します。0~2の整数を入力。

④勝敗を判定します。

⑤結果を出力します。

Javaのソースコード

作成手順に従って作った「じゃんけん」ソースコードです。

Janken1.java

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import java.util.Scanner;

public class Janken1 {
	private static final int GUU   = 0;	// グー
	private static final int CHOKI = 1;	// チョキ
	private static final int PAA   = 2;	// パー

	// 勝敗の判定
 	// 自分が勝った場合、 1を戻す
 	// 自分が負けた場合、-1を戻す
 	// あいこの場合、     0を戻す
	private static int judge( int jibun, int aite )
	{
		// あいこの判定
		if ( jibun == aite ) return 0;

		// 勝ちの判定
		if ( ( GUU == jibun ) && ( CHOKI == aite ) ) return 1;		
		if ( ( CHOKI == jibun ) && ( PAA == aite ) ) return 1;		
		if ( ( PAA == jibun ) && ( GUU == aite ) ) return 1;		

		// 自分の負け
		return -1;	
	}

	// 数値をじゃんけんの手の文字に変換
	private static String getTeString( int te )
	{
		if ( 0 == te ) return "グー";
		if ( 1 == te ) return "チョキ";
		if ( 2 == te ) return "パー";
		return ";"
	} 


	// メイン
	public static void main( String[] args )
	{
		// 相手の手を決める
		// 0~2の乱数をaiteに代入
		int aite =   (int)( Math.random() * 3.0 );

		// メッセージを表示
		System.out.print( "じゃんけんポン   0:グー 1:チョキ 2:パー → " );

		// Scannerを作成
		Scanner scan = new Scanner( System.in );

		// 自分の手をキーボード入力する
		int jibun = scan.nextInt();
		if ( ( 0 > jibun ) || ( 2 < jibun ) ) {
			System.out.println( "0~2の数字を入力してください。" );
			return;
		}

		// 相手の手を出力
		System.out.println( "相手の手は、" + getTeString( aite ) );

		// 自分の手を出力
		System.out.println( "自分の手は、" + getTeString( jibun ) );


		// 勝敗の判定
		int result = judge( jibun, aite );
		switch ( result ) {
			case 0:
				System.out.println( "あいこです。" );
				break;
			case 1:
				System.out.println( "あなたの勝ちです。" );
				break;
			case -1:
				System.out.println( "あなたの負けです。" );
				break;
		}
	}
}

実行結果

コンパイル ソースコードが「ANSI」の場合

C:\talavax\javasample>javac -encoding sjis Janken1.java

コンパイル ソースコードが「UTF-8」の場合

C:\talavax\javasample>javac Janken1.java

実行

C:\talavax\javasample>java Janken1

自分の手の選択

じゃんけんポン   0:グー 1:チョキ 2:パー →

パーを選択(2を入力してEnterキーを押す)

じゃんけんポン   0:グー 1:チョキ 2:パー → 2

勝敗を主力

じゃんけんポン   0:グー 1:チョキ 2:パー → 2
相手の手は、グー
自分の手は、パー
あなたの勝ちです。

Javaソースコードの解説

ここから、ソースコードを詳しく解説していきます。

001
import java.util.Scanner;

Javaクラスライブラリの中から「java.util.Scanner」というパッケージにあるクラスを使うために記述しています。

003
public class Janken1 {

クラス名を、Janken1としています。

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006
	private static final int GUU   = 0;	// グー
	private static final int CHOKI = 1;	// チョキ
	private static final int PAA   = 2;	// パー

グー、チョキ、パーを表す定数を定義しています。final修飾子を使うことで、後で変更できない変数にしています。

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	// 勝敗の判定
 	// 自分が勝った場合、 1を戻す
 	// 自分が負けた場合、-1を戻す
 	// あいこの場合、     0を戻す
	private static int judge( int jibun, int aite )
	{

勝ち負けの判定を行うメソッドjudgeを作成しています。

このメソッドは、自分の手jibunが相手の手aiteに勝っているか、負けているか、または、あいこ(引き分け)なのかを判定しています。

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015
		// あいこの判定
		if ( jibun == aite ) return 0;

自分の手jibunと相手の手aiteが同じ場合、return文で0を戻しています。この0は、あいこ(引き分け)を表しています。

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		// 勝ちの判定
		if ( ( GUU == jibun ) && ( CHOKI == aite ) ) return 1;		
		if ( ( CHOKI == jibun ) && ( PAA == aite ) ) return 1;		
		if ( ( PAA == jibun ) && ( GUU == aite ) ) return 1;		

自分の手jibunが勝つ場合の条件を記述してます。

18行目のif文で、自分の手jibunがグーで相手の手aiteがチョキの場合、return文で1を戻しています。

19行目のif文で、自分の手jibunがチョキで相手の手aiteがパーの場合、return文で1を戻しています。

20行目のif文で、自分の手jibunがパーで相手の手aiteがグーの場合、return文で1を戻しています。

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		// 自分の負け
		return -1;	

ここに到達した場合、return文で-1を戻しています。-1を自分の負けを表しています。

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	// 数値をじゃんけんの手の文字に変換
	private static String getTeString( int te )
	{
		if ( 0 == te ) return "グー";
		if ( 1 == te ) return "チョキ";
		if ( 2 == te ) return "パー";
		return ";"
	} 

数で表しているじゃんけんの手を文字列に変換するメソッドgetTeStringです。

じゃんけんの手を表すint型変数teを引数とし、その引数に対応する文字列を戻しています。

0はグー、1はチョキ、2はパーです。それ以外の数の場合、空文字を戻しています。

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037
	// メイン
	public static void main( String[] args )

このmainメソッドからプログラムを実行します。

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		// 相手の手を決める
		// 0~2の乱数をaiteに代入
		int aite =   (int)( Math.random() * 3.0 );

0~2の整数乱数を発生し、int型変数aiteに代入しています。

Math.randomメソッドは0.0以上で1.0未満の乱数を発生するので3.0を掛けることで、0.0以上で3.0未満の乱数を発生することができます。

これをint型型キャストすると0~2の整数乱数になります。

Math.randomメソッド

public static double Math.random()
・乱数を返します。

  パラメータ なし

  戻り値     0.0以上、1.0未満の乱数
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		// メッセージを表示
		System.out.print( "じゃんけんポン   0:グー 1:チョキ 2:パー → " );

print文で、自分の手をキーボードから入力する値を表示しています。print文を使っているので改行されずに、キーボード入力した値は、このメッセージの右側に表示されます。println文を使うとキーボード入力した値は下に表示されます。

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		// Scannerを作成
		Scanner scan = new Scanner( System.in );

標準入力System.inを使って、Scannerクラスのscanを初期化しています。

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		// 自分の手をキーボード入力する
		int jibun = scan.nextInt();

nextIntメソッドで、キーボードから入力された1行を読み取り、その値をint型変数jibunに代入しています。

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		if ( ( 0 > jibun ) || ( 2 < jibun ) ) {
			System.out.println( "0~2の数字を入力してください。" );
			return;
		}

変数jibunの値が、0未満で2より大きい場合に、エラーメッセージを出力しています。その次にreturn文を使ってmainメソッドを終了しています。

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		// 相手の手を出力
		System.out.println( "相手の手は、" + getTeString( aite ) );

println文とgetTeStringメソッドを使って、相手の手を表示しています。

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		// 自分の手を出力
		System.out.println( "自分の手は、" + getTeString( jibun ) );

println文とgetTeStringメソッドを使って、自分の手を表示しています。

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		// 勝敗の判定
		int result = judge( jibun, aite );

自分の手jibunと相手の手aiteをjudgeメソッドに渡して、戻り値である勝敗の結果をint型変数resultに代入しています。

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		switch ( result ) {
			case 0:
				System.out.println( "あいこです。" );
				break;
			case 1:
				System.out.println( "あなたの勝ちです。" );
				break;
			case -1:
				System.out.println( "あなたの負けです。" );
				break;
		}

勝ち負けの結果を表示しています。

switch文を使って、それぞれの結果をコンソール出力しています。

以上です。

次のコンテンツ

連続で「じゃんけん」ができるプログラムの作り方をソースコードを使って詳しく説明しています。

2023.05.23

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