数学

指定の位(くらい)の値を求める

与えられた整数値Xの任意の位の値は以下の式で計算できます。

	指定した位の値=(X/P)%10

Pは位を表す整数で、10のN乗(1、10、100、1000…)で与えます。

1の位を求めるならPを1、10の位を求めるならPを10、100の位を求めるならPを100にします。

(X/P)はXをPで割る計算です。計算結果は小数点以下を切り捨てた整数にします。

%10は、10で割ったときの余りを計算するものです。この計算によって1桁目の値を取得することができます。

例)X=12345でP=100の場合、

100の位の値=(12345/100)%10=(123)%10=3

例)X=12345でP=1000の場合、

1000の位の値=(12345/1000)%10=(12)%10=2

例)X=554でP=1000の場合、

1000の位の値=(554/1000)%10=(0)%10=0

各位(くらい)の値の説明はこちらの以下の記事を参考にしてください。

Javaソースコード

以下は、上記の計算を行うJavaソースコードです。整数値はキーボードで入力します。

Places2.java

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import java.util.Scanner;

public class Places2 {
	// 指定した位の値を求める
	static int getNumber( int num, int place )
	{
		// 位が1未満の場合-1を戻す(エラー)
		if ( 1 > place ) return -1;

		// numの絶対値を計算
		if ( 0 > num ) num = -num;

		// 結果を戻す
		return ( num / place ) % 10;
	}

	// メイン
	public static void main( String[] args ) {
		// 整数の値をキーボードから入力
		Scanner scanner = new Scanner( System.in );
		System.out.print( "整数の値を入力してください:" );
    		String line = scanner.next();

		// 文字列を整数の値に変換
		int num = Integer.parseInt( line );

		// 各位を計算してコンソール出力
		int place;

		// 1の位
		place = 1;
		System.out.println( place + "の位: " + getNumber( num, place ) );

		// 10の位
		place = 10;
		System.out.println( place + "の位: " + getNumber( num, place ) );

		// 100の位
		place = 100;
		System.out.println( place + "の位: " + getNumber( num, place ) );

		// 1000の位
		place = 1000;
		System.out.println( place + "の位: " + getNumber( num, place ) );

		// 10000の位
		place = 10000;
		System.out.println( place + "の位: " + getNumber( num, place ) );
	}
}

コンパイル ソースコードが「ANSI」の場合

C:\talavax\javasample>javac -encoding sjis Places2.java

コンパイル ソースコードが「UTF-8」の場合

C:\talavax\javasample>javac Places2.java

実行

C:\talavax\javasample>java Places2

キーボードで整数値を入力して、各位(くらい)の値を求めます。

出力結果

整数の値を入力してください: 56
1の位: 6
10の位: 5
100の位: 0
1000の位: 0
10000の位: 0

ここからは、このソースコードを上から順番に解説していきます。

001
import java.util.Scanner;

Javaクラスライブラリの中から「java.util.Scanner」というパッケージにあるクラスを使うために記述しています。

003
public class Places2 {

クラス名を、Places2としています。

004
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006
	// 指定した位の値を求める
	static int getNumber( int num, int place )
	{

指定した整数の値と位(くらい)を渡して、その位の値を戻すメソッドです。変数numには任意の整数変数placeには10のN乗(N>0)の値を渡します。

007
008
		// 位が1未満の場合-1を戻す(エラー)
		if ( 1 > place ) return -1;

変数placeの値が1未満の場合にreturn文で-1を戻しています。これはエラーを意味しています。

このメソッドでは、変数のplaceの値が10のN乗であるかチェックを行っていません。placeの値が1以上であれば計算します。

010
011
		// numの絶対値を計算
		if ( 0 > num ) num = -num;

変数numの値がマイナスの場合、プラスの値になるようにしています。

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014
		// 結果を戻す
		return ( num / place ) % 10;

指定した位の値=(X/P)%10の計算値を戻しています。正しく計算できた場合、0から9の値が戻ります。

017
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	// メイン
	public static void main( String[] args ) {

このmainメソッドからプログラムを実行します。

019
020
		// 整数の値をキーボードから入力
		Scanner scanner = new Scanner( System.in );

標準入力System.inを使って、Scannerクラスのscanを初期化しています。

021
		System.out.print( "整数の値を入力してください:" );

printメソッドで、"整数の値を入力してください:" をコンソール出力しています。printメソッドを使っているので、コンソール入力した文字はメッセージの右側に表示されます。printlnメソッドを使った場合、コンソール入力した文字はメッセージの下の行に表示されます。

022
    		String line = scanner.next();

nextメソッドで、キーボードから入力された1行を読み取り、String型のlineに代入しています。

ここで、入力待ち状態になり、Enterキーが押されるまでの入力文字がlineに格納されます。キーボードの"Ctrl"キーを押しながら"C"を押すと強制終了します。

024
025
		// 文字列を整数の値に変換
		int num = Integer.parseInt( line );

IntegerクラスのparseIntメソッドで、文字列lineを整数numに変換しています。

027
028
		// 各位を計算してコンソール出力
		int place;

ここからは、各位(くらい)を求める処理です。int型変数placeを宣言しています。

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		// 1の位
		place = 1;
		System.out.println( place + "の位: " + getNumber( num, place ) );

1の位の値をコンソール出力しています。

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036
		// 10の位
		place = 10;
		System.out.println( place + "の位: " + getNumber( num, place ) );

10の位の値をコンソール出力しています。

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040
		// 100の位
		place = 100;
		System.out.println( place + "の位: " + getNumber( num, place ) );

100の位の値をコンソール出力しています。

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044
		// 1000の位
		place = 1000;
		System.out.println( place + "の位: " + getNumber( num, place ) );

1000の位の値をコンソール出力しています。

046
047
048
		// 10000の位
		place = 10000;
		System.out.println( place + "の位: " + getNumber( num, place ) );

1000の位の値をコンソール出力しています。

以上です。

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