2016.02.22

画像の一部切り出し

はじめに

画像ファイルの一部の範囲を切り出して、別の画像ファイルを作る方法を解説します。

元の画像
元の画像
右矢印
切り出し画像
切り出し画像

上の画像変換の例は、指定した矩形長方形)の範囲の画像を切り出したものです。

矩形範囲は、切り出す左上隅のピクセル座標ピクセル幅・ピクセルの高さで指定します。ここで紹介する方法では、矩形の範囲が元の画像から外に出ないように指定し、外に出る場合は処理を実行しないようにしています。

Javaソースコード

Subimage.java

001
002
003
004
005
006
007
008
009
010
011
012
013
014
015
016
017
018
019
020
021
022
023
024
025
026
027
028
029
030
031
032
033
034
035
036
037
038
039
040
041
042
043
044
045
046
047
048
049
050
051
052
053
054
055
056
057
058
059
060
061
062
063
064
065
066
067
068
069
070
071
072
073
074
075
076
077
078
079
080
081
082
import java.awt.image.BufferedImage;
import java.io.File;
import javax.imageio.ImageIO;
import java.io.IOException;
import java.awt.image.RasterFormatException;

public class Subimage {
	public static void main( String[] args ) {
		String inname, outname;		// ファイル名
		BufferedImage img = null;	// 画像格納クラス

		// 入力した引数が6つ以上かを調べる
		if ( 6 > args.length ) {
			// 入力した引数が6つ未満の場合、使用方法を表示する
			System.out.println(
				"Subimage [入力JPEG名] [出力JPEG名] [X] [Y] [幅] [高さ]" );
			return;
		}

		// 入力JPEG名をinnameに代入(拡張子".jpg"省略なし)
		inname  = args[ 0 ];
		// 出力JPEG名をoutnameに代入(拡張子".jpg"省略なし)
		outname = args[ 1 ];

		// 変数の宣言
		int x, y;	// 切り出す左上のピクセル座標
		int w, h;	// 切り出す画像サイズ

		try {
			// 引数を変換し、縁の幅に代入
			x = Integer.valueOf( args[ 2 ] );
			y = Integer.valueOf( args[ 3 ] );
			w = Integer.valueOf( args[ 4 ] );
			h = Integer.valueOf( args[ 5 ] );
		}
		catch( NumberFormatException ne ) {
			System.out.println( "引数が不正です" );
			return;
		}

		if ( ( 1 > w ) || ( 1 > h ) ) {
			System.out.println( "画像サイズが不正です" );
			return;
		}


		// JPEG画像の読み込み
		try {
			// inname(入力JPEG)を読み込んでimgにセット
			img = ImageIO.read( new File( inname ) );

		} catch (Exception e) {
			// inname(入力JPEG)の読み込みに失敗したときの処理
			 e.printStackTrace();
			return;
		}

		// 切り出し処理
		BufferedImage subimg = null;	// 切り出し画像格納クラス
		try {
			subimg = img.getSubimage( x, y, w, h );
		}
		catch ( RasterFormatException re ) {
			System.out.println( "指定した範囲が画像の範囲外です" );
			return;
		}

		// JPEG画像の保存
		try {
			// subimgをoutname(出力JPEG)に保存
			boolean result;
			result = ImageIO.write( subimg, "jpeg", new File( outname ) );
		} catch ( Exception e ) {
			// outname(出力JPEG)の保存に失敗したときの処理
			e.printStackTrace();
			return;
		}

		// 正常に終了
		System.out.println( "正常に終了しました" );
	}
}

コンパイル ソースコードが「ANSI」の場合

C:\talavax\javasample>javac -encoding sjis Subimage.java

コンパイル ソースコードが「UTF-8」の場合

C:\talavax\javasample>javac Subimage.java

実行

C:\talavax\javasample>java Subimage sampleimage001_400x320.jpg subimage.jpg 160 200 200 100

1つ目の引数で渡したJPEGファイル名、3つ目と4つ目の引数ピクセル座標、5つ目と6つ目の引数で幅と高さを指定し、切り出した画像を2つ目の引数で指定したJPEGファイル名で保存します。

・元の画像(sampleimage001_400x320.jpg)

元画像

・切り出し後の画像(subimage.jpg)

切り出し後の画像切り出し後の画像

画像が、左上隅のピクセル座標(160,200)、幅200ピクセル、高さ100ピクセル矩形範囲で切り出されました。

Javaソースコードの解説

ここからは、このJavaソースコードを上から順番に解説していきます。

001
002
003
004
005
import java.awt.image.BufferedImage;
import java.io.File;
import javax.imageio.ImageIO;
import java.io.IOException;
import java.awt.image.RasterFormatException;

Javaクラスライブラリの中から「java.awt.image.BufferedImage」と「java.io.File」と「javax.imageio.ImageIO」と「java.io.IOException」と「java.awt.image.RasterFormatException」というパッケージにあるクラスを、このプログラム内で使うために記述します。 この記述により、ImageIOクラスBufferedImageクラスRasterFormatExceptionが利用できるようになります。

007
public class Subimage {

クラス名を、Subimageとしています。

008
	public static void main( String[] args ) {

このmainメソッドからプログラムを実行します。

009
010
		String inname, outname;		// ファイル名
		BufferedImage img = null;	// 画像格納クラス

このプログラムで使う変数を宣言しています。

012
013
014
015
016
017
018
		// 入力した引数が6つ以上かを調べる
		if ( 6 > args.length ) {
			// 入力した引数が6つ未満の場合、使用方法を表示する
			System.out.println(
				"Subimage [入力JPEG名] [出力JPEG名] [X] [Y] [幅] [高さ]" );
			return;
		}

6つ以上の引数が与えられたかをチェックし、6つ未満の場合に、使い方のメッセージを表示し、returnによってmainメソッドを抜けています。

020
021
022
023
		// 入力JPEG名をinnameに代入(拡張子".jpg"省略なし)
		inname  = args[ 0 ];
		// 出力JPEG名をoutnameに代入(拡張子".jpg"省略なし)
		outname = args[ 1 ];

与えられた引数をそれぞれ、入力JPEG名の変数(inname)、出力JPEG名の変数(outname)代入しています。

025
026
027
028
029
030
031
032
033
034
035
036
037
038
039
040
041
042
043
044
		// 変数の宣言
		int x, y;	// 切り出す左上のピクセル座標
		int w, h;	// 切り出す画像サイズ

		try {
			// 引数を変換し、縁の幅に代入
			x = Integer.valueOf( args[ 2 ] );
			y = Integer.valueOf( args[ 3 ] );
			w = Integer.valueOf( args[ 4 ] );
			h = Integer.valueOf( args[ 5 ] );
		}
		catch( NumberFormatException ne ) {
			System.out.println( "引数が不正です" );
			return;
		}

		if ( ( 1 > w ) || ( 1 > h ) ) {
			System.out.println( "画像サイズが不正です" );
			return;
		}

与えられた引数をそれぞれ、左隅のピクセル座標ピクセル幅、、ピクセルの高さを格納する変数に代入しています。

047
048
049
050
051
052
053
054
055
056
		// JPEG画像の読み込み
		try {
			// inname(入力JPEG)を読み込んでimgにセット
			img = ImageIO.read( new File( inname ) );

		} catch (Exception e) {
			// inname(入力JPEG)の読み込みに失敗したときの処理
			 e.printStackTrace();
			return;
		}

入力JPEG名の変数(inname)を読み込んで、BufferedImageクラスのimgに格納しています。この処理には、ImageIOクラスreadメソッドを使います。

ImageIO.readメソッド

public static BufferedImage read( File input ) throws IOException
・Fileオブジェクトを復元した結果をBufferedImageに格納します。

  パラメータ input : Fileオブジェクト

  戻り値     inputを復元したBufferedImageaを返します。

try { ~ } catchは、失敗する可能性がある処理を波括弧で囲み、その処理に失敗したときにcatch { ~ }の波括弧で囲まれた処理を実行するということです。この場合は、JPEGファイル名が不正であったり、存在していなかったり、フォーマットが違っているなどが原因で処理が失敗する可能性があります。処理が失敗するとreturnによってmainメソッドを抜けるようにしています。

058
059
060
061
062
063
064
065
066
		// 切り出し処理
		BufferedImage subimg = null;	// 切り出し画像格納クラス
		try {
			subimg = img.getSubimage( x, y, w, h );
		}
		catch ( RasterFormatException re ) {
			System.out.println( "指定した範囲が画像の範囲外です" );
			return;
		}

BufferedImageクラスsubimageメソッドでサブイメージを作っています。このときサブイメージのデータ配列は、imgと共有しています。

関連コンテンツ

一般に使われている画像フォーマットには、いろいろな種類があります。画像フォーマットBMP、JPEG、PNG、GIF、TIFFの特徴を知ってますか?

2015.11.29

画像フォーマット形式・色・大きさ・傾きなどの変更、特定の図形(文字・記号など)を見つけたり、取り出したりする画像処理について詳しく解説。

2015.11.29

長方形の面積、周の長さ、関連する記事を紹介しています。興味のある方は、ご覧ください。

2020.03.23

画像って何?

2022.07.25

画像の座標系はどのように定義されていますか?

2020.03.23

デジタル画像データを構成している要素について解説しています。

2015.12.22

メソッドの定義方法を詳しく解説しています。Javaのサンプルソースコードを使った説明もあります。

2020.03.23

プログラミング言語とは?種類や特徴について説明しています。

2022.08.03

Javaのプログラムを書いてみませんか?プログラムの書き方をくわしく説明しています。

2020.03.23

Javaプログラムの構成について解説しています。詳しくは、こちらをご覧ください。

2020.03.23

プログラムの最初に実行されるメソッドは?

2022.12.13

プログラミングで使う変数って何?

2020.03.23

メソッドを抜けるときに使用するreturn文について説明しています。

2020.03.20

同じ型の変数(データ)を複数個まとめて管理するデータの持ちかたがあります。これが配列です。くわしくは、記事をご覧ください。

2016.01.14

「ゆるゆるプログラム」のコンテンツを紹介しています。興味のある方はこの記事をご覧ください。

2020.03.23

Javaの学習に役立つソースコードを多数紹介しています。是非、ご覧ください。

2022.09.10

Javaを使った簡単な応用プログラム(生年月日から年齢を計算プログラムなど)を紹介しています。

2022.07.07

Swingパッケージを使ってグラフィック表示を行う方法を解説しています。

2020.03.23

三角形、台形、円などいろいろな図形の面積を計算するプログラムを紹介しています。詳しくは、記事をご覧ください。

2021.05.18

配列を使うJavaソースコードを多数紹介しています。

2021.05.18

繰り返し処理を使ったJavaのソースコードサンプルを紹介しています。

2020.03.23

数学に関係するJavaのメソッドやソースコードなどを紹介しています。

2022.10.25

StringクラスとStringBuilderクラスを利用したプログラミングの仕方を紹介しています。

2016.12.16

日本で使われてきた伝統文様「和柄」について解説しています。

2022.07.27

プログラミング、ITに関する用語をまとめています。

2022.10.17

広告